スマートオフィスの導入にあたり、最も重要な施設として設けたのがミーティングルームです。
コロナ禍となりWEB会議が主流となる中、2Fのオフィスにある会議スペースでは、周囲の雑音や電話の着信音などが漏れてしまい、集中した会議となっていませんでした。また、2Fとは別に3Fに会議室が設けられていましたが、閉鎖された室内での会議となってしまうことと、あまり2Fから3Fへ移動する意味がないことから、週末にしか使用しないスペースとなっていました。
そのため、通常時に良く使用するミーティングスペースを開放的で現在のオフィスワークに適したものにすることと、近年多発する災害発生時にも機能するミーティングルームを設けることは、非常に重要であると考え、設置に至りました。
まず、参考にできる最新のオフィスということで、様々な情報やオフィス家具を扱うメーカーのショールーム等を拝見し、建築士と相談のうえ構想を練りました。その中で特に拘ったのが以下に示す内容となります。
【1】 間仕切りを防音機能のあるガラス張りとしたい
【2】 室内は防音機能を有すること
【3】 天井については、木目をベースとしたい
【4】 タイルカーペットについては、特徴的なものにしたい
【5】 壁には、75インチのZOOM内蔵のMAXHUBを設置したい
この5項目を満足するために、建築士と一緒になってコスト面についても何度も検討し、最終的に全ての希望を叶えることができましたが、特に問題だったのがガラス張りの間仕切りでした。オフィスメーカーのカタログに載っているガラス張りの間仕切りが、非常に機能的で、デザインも素晴らしく、これを是非導入したいと見積もりを取ったのは良かったのですが、やはりお値段も素晴らしく高価であったため、なかなかこの間仕切りをどうするかという問題が解決できませんでしたし、一時は、ガラス張りをあきらめようとしたこともあったのですが、建築士さんとサッシ屋さんとの再三による打合せにより、合わせガラスによる間仕切りの提案があり、採用することと致しました。
この合わせガラスというのは、ガラスを2枚重ねる方法です。複層ガラスのようにガラスとガラスの間に隙間が生じてしまうと防音効果を得ることはできないそうですが、2枚のガラスの間に防音用の特殊中間膜フィルムを挟み圧着させることにより音を遮断し、防音効果を得ることができるそうです。
その結果、建具の遮音性能を表す等級においてT-3等級相当となっております。T-3等級とはいったいどのくらいの遮音効果があるのかと言えば、良く使用されているところでは、ピアノ教室や劇場、映画館といったところですので、大体想像ができるかなと思われます。
こうした経緯があり、ようやくガラス張りの間仕切りを設けることができました。また、このミーティングルームに隣接している集中室(個室)側の壁についても防音効果を高めるものを使用しており、個室に入ると外からの音がほぼ聞こえない仕様となっているのも特徴です。
コロナ禍において需要の増えたWEB会議や遠隔臨場、それから災害時においても機能できるよう別系統より電源を確保できるように工夫したのが、このミーティングルームの特徴となっています。それから、もちろん機能面が最重要ポイントであることには変わりませんが、木目調の天井やタイルカーペットなどのデザインにも拘ってみましたので、機会があれば是非見て頂きたいですし、当社と同様にこれからミーティングルームの設置を考えている企業があれば、参考にして頂けると嬉しく思います。
いろいろなアドバイスを頂いた、『ウィックス設計事務所』の瀬下氏と同じくアドバイスを頂き、このミーティングルームの間仕切りの施工を担当して頂いた『株式会社カスガ』の春日会長にこの場を借りまして改めて感謝申し上げます。大変ありがとうございました。
投稿日|2022.09.01