ななめ台作 法面削孔装置の移動式可変勾配足場
法面工事におけるグランドアンカー施工等、法面に重量削孔機に耐える強固な足場を簡単に素早く提供するための移動式可変勾配足場工法です。
ななめ台作Ⅰ工法
何をする技術?
ななめ台作は、コンクリート又は、モルタル吹付け等により法面に格子状に形成された法枠にアンカー工を施工する際に必要となる足場を、安価に素早く提供する移動式可変勾配足場工法です。
工法の特徴
足場を構成する部材を「ベース装置」と「上部作業台」の二つで構成した。
「ベース装置」は、本設法枠交点に埋め込んだ「仮設アンカーから緊張」をかけ固定する。
固定された「ベース装置」に勾配の調整できる「上部作業台」を「専用固定金物で任意の位置」に固定できる。
旧来工法
実施写真
使用条件
- ある程度の断面(20cm以上)の先打ち工法コンクリート法枠工であること。
- 1.5t程度の吊り上げ機械が必要(ラフタークレーン、クレーン機能付バックホウ等)
- 横断的にある程度直線形状であること(ベース枠H=4m程度の横断的直線が必要)。
- 削孔機械本体重量が3t以下であること。
メリット
- 足場の組立・解体作業がなくなるため、早く削孔作業が開始できるため、工期の短縮ができる。
- 上部作業台1基に対しベース装置を複数組合わせることにより、削孔作業を任意の位置から連続してできる。
- 作業架台の水平を簡単に確保できる。
- 法枠本体に固定しているので、作業時の振動が軽減される。
- 法枠の曲面に自由に対応(1本ベース使用)できる。
- 設置作業が2種類んの締め付け器具しか使用していないので熟練工を必要としない。
- 足場経費の大幅削減(17%以上のコストダウン)
ななめ台作Ⅱ工法
Ⅰ工法とⅡ工法の違い
■Ⅰ工法
コンクリート・モルタルによる格子状法枠工先打工法におけるグラウンドアンカー工等の削孔工事に適用できる。
■Ⅱ工法
切土法面に直接削孔する工事に適用できる。
工法の特徴
大きな構成部材は「仮設H鋼」と「上部作業台」の2部材。
任意の場所から作業を開始可能。
仮設H鋼の転倒、沈下の検討が必要。
曲面地山にも対応可能
ななめ台作Ⅱ工法イメージ図
施工状況写真
足場組立不要 切土完了即削孔作業開始(工期短縮) 経費も削減(足場工法に比較30%以上の削減)
ななめ台作Ⅲ工法
工法の特徴
Ⅰ工法は法枠先行工法、Ⅱ工法は地山に「受圧板+グラウンドアンカー工」、Ⅲ工法は既設擁壁に「受圧板+グラウンドアンカー工」を法面工法の対象にしている。既設擁壁面にベース枠又はH鋼を設置し、下がり防止対策を行う。転倒防止はコンクリートにアンカーを打ち込み固定する。
ベース枠・H鋼等の固定方法
既設擁壁面にベース枠又はH鋼を設置し、下がり防止対策を行う。転倒防止はコンクリートにアンカーを打ち込み固定する。
Ⅲ工法活用事例
■工事名
五ヶ瀬川 角田地区 国道218号嵩上げ工事
■発注者
宮崎県延岡土木事務所
■施工概要
混合擁壁の重力式擁壁部(1:05)
グラウンドアンカー工(N=59本)
施工用作業足場
■本工法検討事由
過去の同種工事において、五ヶ瀬川の突然の増水により従来工法で組み上げてあった足場が、削孔機械もろとも流されたことが複数回あった。
このため、足場組立・解体に擁する時間が短く、突然の増水に対して容易に撤収できる足場工法ということで本工法を検討・採用された。
【増水時対応】:天気予報等で増水が予想される時は削孔機と上部作業台をクレーンにて吊上げ、高台へ移動する。
ベース枠はコンクリート面にグリップアンカー固定してあるので流失の可能性は少ないと考え撤去しない。