防火水槽機能回復工法
工法概略
防火水槽も築造してから20~30年と経過するうち、コンクリートの経年劣化や地震等の外力により、防水モルタルの剥離や、コンクリート躯体のひび割れによる逸水による水位の低下がみられるものが出てきます。また長い間に雨水に混入して流入した土砂の堆積により、貯水量の低下しているケースも見受けられます。
コンクリートのライフサイクルコストの面からも、また火災時の貯水量確保の面からも、防火水槽の定期的な排泥作業やコンクリートのメンテナンスは重要なことと思います。
従来工法としては、排泥・洗浄の後、防水モルタルをハツリ落とし、洗浄した後防水モルタルを塗り直すのが一般的な工法です。
下記に工程フロー図と工法の特徴示します。
従来工法とのフロー比較
工法の特徴
CSモルタル工法の特徴
- CSモルタル工法は躯体コンクリートを健全にしてから防水処理をするため、耐久性が高くなります。
- 超高圧水(350Kgf/cm2)で洗浄するため、コンクリートの劣化部を見逃さない。
- CSクリアーをコンクリート躯体に塗布しただけでも防水性能が高まる。(同種のCS-21を新設のコンクリートに塗布して防水する工法もある。例:駐車場屋上防水、北陸新幹線PC橋橋面防水工等に採用されている。)
- 劣化した水路の補修工法として、水路補修の先進地である四国内で多くの施工実績がある。
- 躯体コンクリートの構造クラック等は無理に塗らず、伸縮目地として処理する。(構造クラックは上から塗ってもまたクラックが発生するケースが多いため)
CSモルタルの特徴
- 繊維で補強されているため、ひび割れや剥離に対し十分な抵抗性を発揮します。
- 物性が長期にわたって安定しており、耐久性、耐侯性、遮塩性、凍結融解性に優れています。
- 強度発現性が良好で、特に#100PSは短時間で実用強度が得られます。
- 躯体コンクリートとの接着性に優れています。
- 水と練り混ぜるだけで使用できます。
目地・ひび割れ補修工
- 目地・ひび割れ等を調査し、マーキングする。
- 集塵機付ディスクサンダーにてUカット処理する。
- 奥行きが深いところなどは、バックアップ材を詰める。
- 接着性を高めるため、プライマーを塗布する。
- シーリング材を充填し、ヘラ等で平滑に仕上げる。